いつか来たメタバース
「『ほととぎす』でLV.250達成者が出るたびに書くブログ」になりつつあるけど,
ぼちぼちLV.250が増えてきたので「LV250おめ 生存報告がてら では,おつまる~」ではさすがに回らなくなってきたので,
ちょっと最近思うことを書いてみる.
先日,2022年版のガートナーのハイプ・サイクルが発表された.
これは技術に対する期待値や成熟の度合いを「黎明期」「過度な期待のピーク期」「幻滅期」「啓発期」「生産性の安定期」の5つの段階にわけ,各種の要素技術がそれぞれどのフェーズにいるか,を表した図になっている.
端的に言えば「これからバズりそうな技術」や「バズりすぎてこれから失望される技術」や「バズのフェーズを超えて定着してきた技術」を視覚的に表現する図ということになる.
個人的には,当たっているところもあるがそうでないところもあり,そもそもあまり実証的ではないと思っているのだが,世の意識の高き者はこういう概念を無批判に好むようになっている.
弊社でも半期ごとに他の部門も含めて部門の紹介や方針の説明を聞く機会があるのだが,「ハイプ・サイクルのここに出てる技術を研究してます!これからアツイ技術です!」みたいな発表がされるので,だいたい鼻で笑いながら聞いている.
鼻で笑う理由は4つあって,まず「そもそもアテにならない」という点.5年前のハイプ・サイクルを見ても正直これは外れただろと思うものは多いし,2年前のですらやや的外れだった感が大きい.
そして第二に時間軸が示されていない点.よって「流行る時までは指定していない……!」と言い逃れできる.利根川すぎるだろ.
第三に,ややマッチポンプっぽい点.黎明期の初期にプロットされている技術なんて,もはや「ガートナーがハイプ・サイクルに載せたからバズり始める」で因果が逆転しまっているんじゃないか?
第四に,これが最も大きいのだがフェーズ進行が必ずしもこの通り進むわけではない,具体的には「幻滅されてそのまま消える」というフェーズが表現されていないという点.
というわけで個人的にはこれをありがたがって拝むつもりは全くないのだが,広く世に知られている考え方なので,泊付けの一手段として知っておくのは悪いことではないと思う(盲信するのが間抜けだと言っている).
で,このハイプ・サイクル2022だが,「メタバース」が「黎明期」にあった.
メタバースとは、多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できる、通信ネットワーク上に作成された仮想空間のことである。
(中略)
メタバースは、インターネット上に構築される多人数参加型の3次元仮想世界を指す言葉として使われている。 メタバース内のユーザーはアバターと呼ばれる。(引用注:句点原文ママ) メタバース内でアバターを操作することにより、様々な行動をすることが可能である。
メタバース上では、これといった行動シナリオによる制約は無く、アバターの行動は基本的に自由である。 この点がシナリオ等の制約を受けるネットワーク上の複数参加型の3DRPGゲーム(MMORPG、MORPG)と大きく異なる点である。
ZDNet Japan 「メタバース」より引用(2022-08-29アクセス).
この語句定義は実はWeblioのページからの引用でもあり,それは更にIT用語辞典BINARYからの引用ではあるのだが,MMORPGに対する理解があまりに浅く,一応IT系のニュースサイトの用語集として引くものなのにこの体たらくかと思うとがっかりさせられると言える.
めいぽプレイ歴長い諸兄からすれば,「行動シナリオによる制約」のない行動の反例はいくつでも挙げることができる――例えば,初心者島でひたすらレベル上げする縛りプレイ――わけで.
(けなしたくせにその定義を引用するのかと言われると苦しいが)BINARYの定義において「MMORPGと違う点」として挙げられた「シナリオによる制約」が実態にそぐわないとするならば,MMORPGとメタバースを切り分ける条件は実は「3次元か否か」でしかない.
実際,Weblioの記載では,デジタル大辞泉からの定義としてもっとシンプルな「仮想の三次元空間」とだけ定義されていたりもする.
が,しかし,「3次元仮想空間」であることがそれほど重要なのか?はこれまためいぽプレイ歴の長い諸兄からすると,当然疑問に思うところだと――3次元化のテイストは違うが,メイプル2が1より先にサ終するという展開を見れば――思う.
4年半弱前になるのだが,当時ひっそり書いていたBloggerの新ブログで,「VR」を拡大的に解釈して,こんなことを書いたことがある.
振り返ってみると本当にそう思う.メイプルストーリーには社会があった.
(中略)
そう考えるなら,メイプルストーリーはVRゲームだったんじゃないかと2018年になった今,そう思うのだ.
(中略)
現にメイプルストーリーで遊ぶことによって「社会問題」を考える機会もあったし,勉強する機会もあったし,メイプルストーリーで遊んだからこその出会いがあって,人間関係があった.それを当時の親たちは「ゲーム」の一言で片付けたかもしれないけど,今なら言える.「あれは“現実”だった」と.
(中略)
ただ,今振り返ると「あの頃、僕らは仮想現実に生きていた。」と思う.だからゼミでの議論でMMORPGの例が出た時,私は自然と「I lived in the game.」と言えた.
これは今でも本気で思っていて,メイプルストーリーは社会として成立した仮想的な現実だった.
だからこそアレだけハマった.これは本当にそう確信している.
MMORPGに中毒性があったのはその社会性にあって,グラフィックがどうとかそう言う問題ではない.
現に2Dのメイプルストーリーが盛り上がったわけで,グラフィックの美麗さとかリアルさとか,良質な運営か否かさえ実は問題ではないのだ.
そう考えるからこそ,MMORPGにたかだか3D性をアドオンしたメタバースとやらが「黎明」とはちょっと思えなくて,過去のMMORPG民からすれば「まだそこ?」っていう感じに思えてならないのだ.
実際のところ,我々ははるか昔にメタバースを遊び終えていて,
本当はとっくにハイプ・サイクルの遥か右の方にあるんじゃないか,って.
一方で,確かにイノベーションの本質は「新結合」,すなわち単体の革新性ではなく,複数の要素の組み合わせにあるとも主張されるわけで,メタバース=MMORPG+3DVRでしかないからイノベーティブではない,とは言えない.
言えないのだが,PSVRでも遊んだことのある身からすると,現状のハードウェアだとどうしても手軽さが足りないという点がどうも筋悪ではないかという気がしてならないというのが正直なところ.
しかもWeb3/NFT系の胡散臭い界隈と結びついて「メタバース上の土地の取引」とかいうわけのわからない――メタバースには「懐疑的」だが,Web3の現行の使われ方は「詐欺的」としか言いようがない――クソみたいな新結合が生まれてしまったので,なおさらメタバースを信用できない.
この先メタバースがどうなっていくかはわからないが,この先もし大した盛り上がりも見せずにそのまま消えていったら,
この記事を持ち出して「ほら,メタバースなんて所詮MMORPGの焼き直しだから流行らないって言ってるだろ」と言ってドヤ顔する予定である.10年後くらいが楽しみだ.
外したらなかったことにする.

Re: Re: Congrats.

久しぶりにパッチ当てるべく起動したらヤバめのエラーコードが出た.
でもパッチは普通に成功した.なんだこのアプリケーション.

荒さん LV250になるの巻で2ヶ月半ぶりにメイプルログインするなど.
前祝い用に買った拡声器はなんか期限切れてた.
「ポイントチャージ」のボタン押したらInternetExplorerが起動した.
そういうとこやぞ.

Re: Congrats.

今度はちゃんとSS撮れたゾ
身内からLV250がまた出まして,なんかLV250なんて楽勝なんじゃないの!?なんて錯覚するくらいには.
聞くところによると実際はがんばって狩ってるんだろうけど.
自分は200すら青息吐息だったので……
さすがにLV250が上限じゃないってことは覚えたけど
結局今の上限って何レベルなんだっけ?

Congrats.
nostalgia

いつぶりかも覚えてないけどレベルアップ.
5月26日(水)に長期間ログインがないキャラクターが削除されちゃうので気をつけてほしいぷる!
— メイプルストーリー公式 (@MapleStory_JP) May 21, 2021
削除されたくない人は、メイプルにログインしてほしいぷる!https://t.co/OtSaQbUsnW#メイプルストーリー #メイプルキノコ
ご無沙汰しております,レトレです.
↑のツイートに脅されて,久しぶりに低レベル帯の全キャラにログインして,
ついでにもう少しでレベルが上がりそうだったキャラのレベルも上げてみたり.
「長期間ログインがないキャラクター」がシステムに及ぼす影響は,
性能的負荷ではなく,ストレージの容量の可能性が高いのかな,と思っている.
メイプルがどういうキャラクターデータ管理をしているのかは知らないけれど,
何百万だかのIDがあり,そのIDに平均して2人のキャラクターが存在しているなら,
全体でみれば千万のオーダーになる.
その容量というのは意外とバカにならなくて,
ゲームの性格的に「長期間ログインがないキャラクター」を削除するだけで
意外とディスクに余裕は出そう,というのが直感的な感触.
ここまで見せた縮小の気配はサーバー構成だけだったと言っても過言ではない(と勝手に思っている)メイプルにおいて,
今回の動きは,少しだけ先行きが不安になるような,そんな動きに見えてしまったのも事実.
年に1回のペースでしか遊ばないし,課金もしないからとやかくいう資格はないのだけれど,
そこにメイプルストーリーがないのなら,人生におけるノスタルジアはかなり減ってしまうので,
あいも変わらずにそこにあってくれないと困るんだよなあ.
……と言いながら全部の倉庫キャラが削除されないようにしてしまいました.ごめんね.
あまりに無駄なキャラクター構成だったので,いつか整理して自分で消します.
それはそうと,サブIDも含めてすべてのIDにログインすると,
作った記憶も,ブログに登場した記憶もないキャラクターがちらほらいて,
そしてそんなキャラクターに限って古のレアアイテムを持っていたりして,
当時の自分は何をやっていたんだろう,と思った.
自分のメイプルプレイの大部分はこのブログに眠っているけれど,
それでもなお取りこぼしてきた何かがあって,
それは各キャラクターの中にどういう形でか残っている,らしい.
また謎のキャラクターにログインして,謎に持っているアイテムを見て,その謎を解き明かす日まで.
